STEP UP GUIDE
〜健康とスポーツの上達ヒント〜
【マット】 前転・後転がきれいに回れない原因は?家でもできる簡単マット遊び

「うちの子、なんだかマット運動が苦手みたい……」
「前転をしても斜めに転がってしまうし、後転はお尻がついたまま起き上がれない」
お子様が一生懸命取り組んでいる姿を見ていると、親御さんとしては「なんとかしてあげたい」という気持ちになりますよね。学校の体育の授業で最初に触れる「マット運動」は、実はすべてのスポーツの基礎となる大切な要素が詰まっています。
しかし、いざ教えようとしても「どうしてできないのか」「どう声をかければいいのか」が分からず、親子で困ってしまうことも少なくありません。
この記事では、プロの視点から「前転・後転がうまくいかない原因」を紐解き、おうちで遊びながらできる上達のコツをご紹介します。運動が苦手なお子様でも、楽しく取り組むことで「できた!」という自信を育むことができますよ。
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1.
なぜきれいに回れないの?
前転・後転でつまずく
「意外な原因」
「ただ回るだけ」に見えるマット運動ですが、実は複雑な体の動きが組み合わさっています。きれいに回れないときには、いくつかの共通した原因があります。
前転(ぜんてん)でよくある原因
前転で「斜めに転がる」「起き上がれない」という場合、主な原因は「目線」と「背中の丸め方」にあります。
- 目線が前を向いている: 転がる瞬間に前を見てしまうと、首が伸びて背中が平らになってしまいます。平らなものは転がりにくいため、背中を強く打ち付けてしまったり、勢いが止まったりします。
- 手をつく位置が近すぎる: 足のすぐ近くに手をつくと、頭を中に入れ込むスペースがなくなり、回転がスムーズに進みません。
後転(こうてん)でよくある原因
後転は、多くのお子様にとって最初の難関です。「途中で止まる」「首が痛い」という原因は、「手の形」と「恐怖心」に隠れています。
- 手でマットを押し返せていない: 後転で一番大切なのは、耳の横で手をしっかりとつき、マットをグッと押し返す力です。これができないと、頭がマットに挟まったような状態になり、起き上がることができません。
- 回転の勢いが足りない: 「後ろに倒れるのが怖い」という気持ちから、ゆっくり動こうとすると、重力に負けて途中で止まってしまいます。
マット運動が苦手な子の多くは、筋力不足ではなく、単に「自分の体が今どうなっているか」という感覚(固有受容覚)が少しだけ未発達なだけなのです。
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2.
「きれいな回転」の鍵は
「だんごむし」のポーズにあり!
前転も後転も、成功させるための最大のポイントは「体をボールのように丸めること」です。カチカチの四角い箱は転がりませんが、丸いボールは勝手に転がっていきますよね。
背中を丸める「おへそチェック」
練習を始める前に、まずはお子様に「自分のおへそをのぞき込んでみて」と伝えてください。
- あごをしっかり引く
- おへそをじっと見る
これだけで、首の後ろが伸びて背中が自然と丸まります。この「だんごむし」のポーズこそが、マット運動の基本フォームです。
「手」は魔法のストッパー&ブースター
マット運動において、手は自分の体を支え、勢いをつける大切な役割を果たします。
- 前転の場合: 指先をしっかり開いてマットにつくことで、左右のバランスが整い、まっすぐ回れるようになります。
- 後転の場合: 「耳の横に、おにぎりやピザを乗せるような手」を準備します。この準備が遅れると、回転の途中で体を支えられなくなります。
「まずは形を完璧に!」と厳しくするのではなく、「丸いボールになれるかな?」「耳の横にピザの手を作ってみよう!」と、イメージしやすい言葉で伝えてあげることが、お子様の上達を早める近道です。
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3.
おうちのリビングでOK!
親子で楽しむ
「マット遊び」3選
本格的なマットがなくても、お布団やラグの上で遊びながら「回る感覚」を養うことができます。トレーニングと思わせず、遊びの一環として取り入れてみてください。
① ゆらゆらゆりかご(背中を丸める練習)
1. 体育座りの姿勢で、両手で膝を抱え込みます。
2. そのまま後ろにごろんと倒れ、背中をつけてまた元の座った姿勢に戻ります。
3. このとき、おへそをずっと見ているのがポイントです。
これがスムーズにできると、背中を丸めて転がる感覚が自然と身につきます。「だるまさんが転んだ」のリズムに合わせて行うのも楽しいですよ。
② アザラシ・くま歩き(腕の支持力を鍛える)
マット運動には、自分の体重を支える「腕の力」も必要です。
- くま歩き: 手と足の裏を床につき、お尻を高く上げて歩きます。
- アザラシ歩き: 足の甲を床につけて引きずりながら、手だけで前進します。
これらは、転がる時に頭を打たないように支える「支持力」を養うのに最適な遊びです。
③ 坂道コロコロ(後転の恐怖心を取り除く)
後転がどうしても苦手な場合は、少し工夫をしてみましょう。
布団の下にクッションなどを入れ、緩やかな傾斜(坂道)を作ります。高い方から低い方へ回る練習をすると、重力の力を借りて簡単に回れるようになります。「回れた!」という成功体験が、恐怖心を自信に変えてくれます。
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4.
マット運動がもたらす
「一生モノ」の運動能力
なぜ、学校やスポーツクラブでこれほどまでにマット運動が重視されるのでしょうか?それは、単に「回れるようになること」が目的ではないからです。
1. 怪我をしにくい体になる(受身の習得)
マット運動で「丸まって転がる」ことを覚えると、日常生活で転んだ時にも、無意識に首を守り、衝撃を逃がす動きができるようになります。これは、将来どんなスポーツをするにしても、自分の身を守る大切なスキル(受身)になります。
2. 空間認知能力が育つ
逆さまになったり、回転したりする動きは、脳に強い刺激を与えます。「今、自分の体がどっちを向いているか」を感じ取る力は、運動神経の向上に直結します。
3. 「挑戦する心」を育む
後転や側転など、最初は「怖い」「できない」と思う種目に対し、練習を重ねて克服するプロセスは、お子様の大きな自己肯定感につながります。「自分は練習すればできるんだ!」という自信は、勉強や他の習い事にもポジティブな影響を与えてくれるでしょう。
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まとめ:
焦らず、一歩ずつ。
「楽しい」が一番の上達法です
マット運動の上達に、特別な才能は必要ありません。
「きれいに回れない」のは、ただコツを掴むまでの練習の途中にいるだけ。もしお子様が苦戦していても、どうか焦らずに見守ってあげてください。
おうちでのちょっとした「マット遊び」を通じて、体が動く楽しさを知る。それが、スポーツクラブへの第一歩や、体育の授業が楽しみになるきっかけになります。
「昨日よりも少しだけ背中が丸まったね」「今の着地、かっこよかったよ!」
そんな親御さんの温かい声かけこそが、お子様のやる気を引き出す一番の魔法です。ぜひ、今日から親子で「ゆらゆら遊び」から始めてみませんか?
もし、「もっと本格的に教えてあげたい」「専門的な指導で自信をつけさせてあげたい」と感じたら、スポーツクラブの門を叩いてみるのも一つの素晴らしい選択肢です。プロのコーチと一緒に、お子様の新しい可能性を広げていきましょう!

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